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ジョージ社長の笑顔の向こう側に隠されている風俗店経営の奥深さpart1
風俗嬢の送迎ドライバーをしていると、風俗業界の側面や奥深さが見えてくる。今日は風俗店経営の難しさ、大変さについてレポートしたい。
俺が送迎ドライバーとして勤めているデリヘルは、当日仕事のできる女の子たちは全員、ジョージ社長所有のマンションに“出社”することになっている。俺もマンションの駐車場にクルマを入れ、必ず一度は“出社”し、当日の予約状況と女の子たちのシフトを確認し、部屋で待機する。
部屋には大きなキッチン、冷蔵庫、薄型テレビ、ベッドまで備えてあり、女の子たちはビデオを観たり、お菓子を食べたり、ゲームをしたりして過ごす。当日予約の入っている子はもちろん、指名の少ない子も「フリー客」要因としてスタンバイしている。
その日、ジョージ社長が珍しく渋い顔をしていた。俺はそんな社長を横目で見ながら、当日の女の子のシフト表を確認した。
「社長、ユズにと和香に新店のヘルプにまわってもらったらどうですか? あの店には超かわいい娘がいるって噂になれば新店の動員に弾みがつきますよ」
ジョージ社長はこの夏にオープンした新しいタイプの店の成績が伸びていないことに少し焦っているようだった。
新店は「どこでもオナクラ」をコンセプトにしたもので、客はホテルや自宅以外の場所で女の子にオナニーする姿を見せるというサービスだ。
「コンセプトは正しいですよ。でも、社長、自宅やホテル、レンタルルーム以外で露出して、通報されたらヤバいでしょう? なかには喫茶店で露出する興信所の社員もいるらしいし…」と、俺は珍しく意見を言った。
「いや、客はそういうことは必ず学習するはず。それに、たとえばビルの階段や公園で露出して、あ、こんなところで誰かに見られたらヤバいっていうスリルは人生でめったに味わえるものではない。この非日常性が付加価値だよ」
ジョージ社長はそう言ってマンションの窓の外に広がる初秋の青空を眺めた。いつもは穏やかな笑顔を絶やさないジョージ社長の向こう側に風俗店経営の難しさが見えたような気がした。
「コースケ、新店の話題を風俗専門のブロガーに書いてもらうよう、依頼しておけ。それから風俗ライターのイリ・オブ・ジョイトイさんには、一度店に遊びに来てもらうよう連絡しておけ。あの人はこの業界では知られたライターだから仲良くしておくように!」
「ええっ、風俗専門のブロガーって店の宣伝してくれるんですか?」
「バーカ、金をかけない口コミの誘発だよ。広告費を使えばそれに比例して繁盛するわけじゃねぇんだ。それより、誰かが推薦する店に行ってみたいと思うのが人間の心理ってもんだ」
ジョージ社長は心理学を学んでいるのか。俺はますます風俗経営の奥深さに魅せられていった。
「じゃあ、僕はこれから『どこでオナクラ』の女の子を集めて、初めてチ×ポを見た女の子のリアクションを教えることにするぞ」
ええーっ、演技指導までするのか、社長?
「はい、社長の指導を拝見します」
「パーカ、指導するのは、おまえだよ」
ええーっ、俺が演技指導?
俺は期待半分、不安半分でマンションの別室へ移動した。そこには「どこでもオナクラ」要員のさやか、ひとみ、ナナ、それに今日が初出勤のトモカがいた。
「はーい、みんなよく聞いてくれ。今日はまだ予約が入っていないから、待機時間にみんなに演技指導をする。待機時間とはいえ、ウチは指名がなくても1日の給料は出すシステムだから、待機時間も仕事時間。わかってるね?」
4人の女の子は全員、ぽかーんとした顔をしている。
「オナクラに来る客は、ウブな女の子にチ×ポを見せて赤面してもらうのが理想なんだ。みんなはもう見慣れているだろうけど、毎回、中学生に戻った感覚でいてほしい」
ジョージ社長が正論をぶった。するとナナがクスクスと笑った。
「ナ、なにがおかしい?」と、少しムッとした顔でジョージ社長。
「だって、社長、毎日3、4本も見てるんですよ。慣れちゃいましたよ」とナナは屈託なく話す。するとひとみも「ナナちゃんの言うとおりで~す」と語尾を伸ばして笑った。
やれやれ、先が思いやられるぜ。俺はジョージ社長の横顔を盗み見た。
怒りを我慢している顔だった。
「わ、わかりました。あとは、このコースケ君がみんなに話があるそうです。私は銀行に行きますから、それで失礼」
ジョージ社長は少し肩を落として部屋を出て行った。




