風呂つきの個室で気分はムーンウォーク Part1

デリヘルの送迎ドライバーをしている俺にも、遅ればせながらボーナスが支給された。その中から福沢諭吉3枚を軍資金にして、俺は初めてソープに向かった。モヤモヤした梅雨の気分を吹き飛ばしたいという思いから決行したのだが、天気だけでなく、気分までモヤモヤしていたのは、単純に溜まっていたからだろう。

俺が選んだ店は、業界でいうところの「エコノミー店」と「大衆店」の中間のような店だった。プレイ時間が90~120分コースで、総額1万~3万円の店が、格安店(エコノミー店)、3万~5万円の店が「大衆店」、それ以上の店が「高級店」だ。
ウチの社長などはたまに「高級店」に行くが、仕事中に「うひひひ」と思い出し笑いするほどすごいらしい。いずれ風俗店を経営したいと考えている俺にとって、ソープは自前の研修みたいなものだ。
ところで、ちかごろのソープは「ネット指名」ができるようになっている。そして、ソープ嬢は多くの店で「コンパニオン」と呼ばれている。俺は「ナナセ」という娘を指名した。釈由美子に似た美形のコンパニオンだった。

ソープに行くと、まず受付で「入浴料」を払う。これは銭湯と同じシステムである。体を洗ってもらったり、ナニをくわえてもらったりする「サービス料」は、個室で直接コンパニオンに払う。個室は、彼女たちが借りている部屋みたいなものだから、そこの世帯主であるコンパニオンにサービスの謝礼を払うということだ。賃貸マンションでいえば、店は「大家」で、コンパニオンは「店子」という関係だ。

黒いスーツを着た、いまどきの若者風の青年にエスコートされ、ちょっとリッチな待合室から大きな廊下を歩き、いちばん奥の個室に通された。歩いている間じゅう胸のドラムが「ズンジャカ、ズンジャカ」と鳴り、シンバルが「ジャーン、ジャーン」と響いていた。
個室に入ると、「ようこそいらっしゃいませ。ご指名、ありがとうございます。ナナセと申します」と、ナナセがあいさつをした。指名料が彼女のフトコロに入るシステムになっているはず。だからだろうか、ナナセの笑顔は心がもっていた。
ホームページで見たヘアスタイルとは違ってショートヘアになっていたが、顔は同じだった。ナナセは、キャミソールのような洋服を着ていた。瞳が大きく、潤んで見えた。
個室にはベッドが置いてあった。そして、その右手の奥がお風呂であることがわかった。俺はソワソワしていた。ソープの知識はたっぷりもっているが、体験するのは初めてだったからだ。
「冷たいお茶、めしあがりますか?」と、ナナセがお茶をすすめてくれた。俺は、ゴクリ、と一気に飲み干し、「じつは、ソープ初体験なんです」と告げた。
ナナセは「それなら、お客様を失望させないよう、しっかりサービスしなくちゃね」と笑った。彼女の笑顔はさわやかな風のようだと感じた。
「それでは、まずお洋服を全部脱いで、こちらのカゴに入れてください。わたしはお風呂の湯加減をみてきますから」と言って、ナナセはバスルームに入った。俺は全裸になり、ベッドのフチに腰かけた。すでにビンビンに勃起していた。体は正直なのだ。