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風俗嬢の送迎ドライバーが体験した「恋愛と商売のあいだ」 Part1
風俗嬢の送迎ドライバーをしていると、風俗業界の側面が見えてくる。彼女たちはいろんな動機で風俗界に足を踏み入れる。海外旅行の資金を貯めるといった目標を持っている子や学費を稼ぐためのアルバイトとして深夜だけ働く学生がいれば、セックスに興味があって入ってきた子、男性にチヤホヤされたくて風俗嬢を続けている子もいる。なかにはユズのように理想の男性に出会うために業界に入ってきた子もいる。
「ユズは…」と、彼女は自分のことをそう呼んだ。「ユズは今日指名してくれたお客さんがユズの理想の男性かもしれないと思ってホテルや自宅まで向かうんです」
ある日の夜、いつものように彼女をクルマに乗せてホテルまで送り届ける途中、彼女はぽつんとつぶやいた。「コースケさんはどうですか? 次に出会う人が運命の人かもしれないって思ったりしませんか?」
彼女たちは店の“商品”で、俺はデリバリースタッフ。ピザを運ぶ者がピザのおいしさを知らないみたいなもので、俺はユズのサービスを受けたことがない。彼女が客にどんなことをしているのか、彼女のアソコがどんな具合なのか、まったくわからない。でも、週に何回も顔を合わせ、数10分だけクルマという個室でふたりっきりになるから、自己紹介くらいはする。恋心だって生まれる。
「出会った瞬間、あっ、この子と寝たい、と思うことは確かにある」
…それがユズ、君だ。と心の中で思ったが、言葉にはしなかった。店長から「店の子を口説くなよ。特にユズちゃんは!」と釘を刺されていたからだ。彼女たちが恋愛に夢中になると、風俗に注ぐエネルギーが彼氏に向けられるようになる。そしてすぐに店を辞めていく。だから送迎ドライバーは風俗嬢に恋愛感情を抱かないほうがよい。俺はそう考えていた。ユズと出会うまでは。




