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『再会は漆黒の森の中で……』part2
薫さんとのシャワータイムで驚いたのは、ボディラインがさほど変わってなかったことだ。そして、水に濡れないようにとアップにした黒髪のうなじが絶妙にエロスをかもしだしていた。10年前では味わえない雰囲気ってやつだろう。
「なに? おばさんになったって言いたいの?」
わざと怒ったように言う薫さん。その作った悪戯っ子のような表情が、かえって余裕を感じさせ、その後の期待が高まった。
シャワー後、身体を拭き、薫さんが髪の毛をアップにしていたゴムをほどくと、ハラリと黒髪が下りた。そのイロっぽさに思わず後ろから抱きついてしまったボク。髪から漂うシャンプーの香りが10年前の面影を映し出し、性の残り香に思えた。そして、サラサラした髪の毛の感触が肌にまとわりつく……でも、それが“今の薫さん”であり、今までではなく、二人のこれからを感じさせる何かに思えたのであった。
「もう! そんなに焦らないで。お楽しみはこれからよ!」
言うことを聞かない子供を諭すような口調で言う薫さん。先にベッドで待っているように促され、ボクはそれに従う。程なくして表れた薫さんは再び襦袢姿だ。長い黒髪によく合うし、なんだか汚してはいけない聖域のようでもある。
やはり、彼女は変わっていなかった。いきなりのキスも舌を激しく絡めてくるのは10年前と同じだ。しかし、彼女の髪の毛がボクの顔にかかり、覆われる。それは、漆黒の森の中に迷い込んだようであり、そのまま快感の果てまで連れて行ってほしくなる……。乳首舐めも甘噛みを織り交ぜながら実に刺激的であり、みるみるうちに当時の思い出がよみがえってくる。それは脳内だけではなく股間もであり、20分ほど前に発射したにも関わらず、ギンギンに勃っていた。
「ねぇ、うちのお店のお楽しみ“その1”をやってみない?」
乳首舐めを止めた薫さんが唐突に言い出した。お楽しみ? いや、今、この瞬間でも充分に楽しいですが……。そして、“その1”とは? それじゃあ、その2やその3もあるのか? そんなことを思っていると、薫さんは襦袢の帯の端をボクに手渡した。
「さぁ、引っぱって!」
へ? 引っぱる? それは、つまり、その……あの時代劇の悪代官がやるアレのことか? すると、黙って頷く薫さん。ボクは意を決して帯を引っ張った。当然、彼女は「あ~れ~」と言いながらクルクル回る。すると、長い黒髪も舞い、これが実に雅やかなエロスを感じさせるのである。帯を手繰り寄せると操り人形のように薫さんがボクの胸に飛び込んできた。そして、見つめ合う……たぶん、いつもなら、ボクはここでキスをするだろう。でも、ボクは彼女の髪の毛を撫でた。キスは唇からしか伝わらないし、唇でしか伝えられないことだ。そして、彼女の長く黒い髪の毛に対するボクの想いは指先で撫でることでしか伝わらないと思ったし、指先でしか伝えられないと思った。それを分かってくれたのだろうか。
「指先で撫でられると……気持ちいい。なんか、愛撫されているみたいで……」
感じたのだろう。薫さんの股間が湿っているのが、その答えだろう。ボクは髪の毛から指をほどくと、再び抱き合ってキスをした。それは今度は唇でしか感じられない彼女を楽しみたかったから……。腕にかかる彼女の長い黒髪が揺れてボクへの愛撫のようだった。




