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3つの物語で奏でるルームミラー越しのモノローグ Part2
人気コースが法のもとに無くなったのはとても残念である。それにしても、ワゴン車導入にもとづく、その後の展開などが実に合理的だ。合理的といえば、こんなケースもある。
都内・錦糸町を拠点にする某デリヘルのドライバーさんの話であるが、彼はお店の女のコから“カバちゃん”と呼ばれている。別に太っているワケではないのに……その理由は彼の話を聞いて納得した。
キャリアですか? そうねぇ、6年位って感じかしら? キッカケ? ほら、アタシ、こんな感じじゃない? お店のオーナーが経営していた店でホストをしていたのね。で、アタシ……今、ぶっちゃけるのも恥ずかしいんだけど、昔、ヘッドやってたのよね。なんのヘッドかは自分で想像しなさいね。で、そん時の仲間がオーナーだってわけ。だから、アタシのドライビングテクニックを見込まれての転職だったのよ。
え? 年齢? ちょっとぉ~、アタシみたいな人種に年齢のこと、聞かないでよ、もうっ!(怒)
あ、ごめんなさい、ついついムキになっちゃたわね。なんでスカウトされたかっていえば、お店の女のコとある意味、同性じゃない? 感覚的に(笑)。で、その前のドライバーがお店の女のコにちょっかい出して大変だったらしいの。でも、アタシにはその心配がないでしょ(笑)。まぁ、お店の男子スタッフのスタッフについて、誰がイケメンだとか、そういう意見の争いはあるけど(笑)。
え? だからムラムラすることはないだろうって? そりゃあ、無いわよ、お店の女のコには。あ、でも、お仕事終わりの女のコを迎えにいくじゃない? で、「カバちゃん、今日のお客さんね、ウエンツに似てた!」とかって報告されるとね~……ちょっと悔しいわね! うん、このコ(女のコ)がイケメンとイチャイチャしたかと思うとムラムラしちゃうわね(苦笑)。もちろん、女のコにはムラムラしないわ、ムカムカしちゃう(キッパリ)。
でもね、こんなアタシだけどお店からは重宝されてるんだから。ほら、さっきも言ったけど、女のコにとってはある意味では同性じゃない? だから、いろいろな悩みを打ち明けてくれるの。お店のこと、プライベートのこと。それに……イヤな言い方だけど派閥もあるじゃない? それを把握してスタッフに伝えることもしばしばね。そうすると店長とかがそのコを連れ出して食事しながら、「最近、悩みでもあるの?」とか聞いたり、仲がよろしくないコたちはシフトをずらすようにしたりね。そうすることでお店が潤滑するんだから、アタシだって貢献してるのよね~。
あと、アタシみたいな人種だと女性に対してもズケズケと言える立場なのも強いわね。たとえばお化粧とか、今のコってアホみたいにマスカラを塗るのよ。まるで目にヒジキを付けてるみたいに。あれ、女子同士だとイケてる感じなのかもしれないけど、男から見るとドン引きじゃない? だから、「なによ、アンタのメイク!」って注意するの。女のコもアタシの意見だとスグに受け入れてくれるし、逆に店の男性スタッフが言ったらセクハラまがいじゃない? それに車の中という二人きりの密室だから注意しやすいし、それもドライバーの役目だと思うのよねぇ。
……あと、シンパシーってワケじゃないけど、アタシみたいな人種も、彼女たちも世間的にはイロイロあるじゃない? どちらも中には仕事のことを隠さなきゃいけい環境の人もいるし、逆に正々堂々振舞える人もいる。アタシだって、正直、今の仕事がなかったら……って思うと……あら、イヤだわ、アタシ、涙が出てるのかしら? そうね、この仕事って、決して強い立場じゃない人の集まりなのよ。だから、一丸にならんきゃいけないし。うん、だから、アタシは今の仕事、誇りを持ってるわよ。
……まさに人生イロイロってヤツである。そんなカバちゃんの話を聞いて感心したのは自分の役目に徹してるなぁってこと。そして、このお店がなぜ人気店なのかよくわかる。それは嬢とスタッフが一丸になっていること。もちろん、それはカバちゃんのようなドライバーさんや店長さんのチームワークがあってのことなんだけど。




